2026.07.27
「職人が輝く場所を創り続ける」
第92®青経塾
成田涼介 氏
創業 塗装工事業
株式会社セイリョウ 代表取締役
今回お伺いしたのは、愛知県を拠点に塗装工事業を営む第92塾、株式会社セイリョウの成田涼介氏です。
インタビューを通して感じた成田氏の印象は、「どうすれば会社が儲かるか」よりも、「どうすれば人が成長し、活躍できるか」を常に考えている経営者だということでした。
会社のこと、経営のことを伺っていても、最後にたどり着くのは「人」。その考え方が、現在の株式会社セイリョウをつくり上げてきたのだと感じました。
現在、同社は30名を超える仲間とともに売上約5億円まで成長し、次の目標として50人の組織、売上10億円を掲げています。
しかし、そのスタートは決して順風満帆ではありませんでした。
中学校卒業後、塗装職人として働き始め、独立後は一人親方として現場に立ち続けます。当時は寝る時間も惜しみ、月100万円を稼ぐほど仕事に追われる毎日でした。
売上は約2,500万円まで伸びましたが、自分が現場に出なければ仕事は止まり、人も育たない。
「このままでは会社は大きくならない。」そう感じたことが、経営を学ぶきっかけでした。
青年会議所や同友会など様々な団体へ足を運ぶ中で、一番厳しく、自分を成長させてくれそうだと感じたのが青経塾でした。また、人として尊敬する先輩から勧められたことも、入塾を決意する大きな理由だったそうです。
入塾が決まると同時に法人化し、一人親方から経営者としての人生が始まりました。
しかし、その直後に青経塾の先輩から掛けられた言葉が、成田氏の考え方を大きく変えます。
「君は親方として生きたいのか。それとも社長として生きたいのか。」
さらに、
「今すぐ職人を辞められるか。」
職人として腕を磨けば、その延長線上に社長という役割があると思っていた成田氏にとって、この問いは衝撃でした。
社長の仕事は、自分が一番働くことではなく、人を育て、会社を成長させること。
この言葉をきっかけに、経営者としての意識が大きく変わっていきました。
その後、会社へ初めて1,000万円を超える大型工事の依頼が舞い込みます。
経験したことのない規模に不安を感じ、青経塾の先輩へ相談すると返ってきたのは、
「その程度の覚悟でやっているのか。」
という厳しい一言でした。
覚悟を決めて挑戦すると、工事は無事に完了。
「できるかどうかではなく、やると決めることが大切。」
その経験が、その後の経営にも大きな自信となりました。
塾の研修では、多くの仲間の前で「ペンキ屋の風雲児になる。」と決意を宣言し、その日を境に現場を離れ、経営に専念する決断をします。
さらに翌年には、自ら志を発表する役に立候補し、「職人が光り輝く場所を創り続ける。」という志を掲げました。
そして売上1億円を仲間の前で宣言し、その期に1億2,000万円を達成します。
卒業前に3年後の計画を考えた際には、売上ではなく、「何人の職人が活躍できる会社をつくりたいか。」という視点から将来を描いたそうです。
この仕事は、人がすべて。そう考えた成田氏は、人材育成へ本格的に力を注ぎ始めました。
しかし卒業後、大きな試練が訪れます。
会社のナンバー2による横領でした。
目標へ向かって走り始めた矢先の出来事。社員も離れてしまうかもしれない。
そんな不安もあったそうです。
しかし、社員は誰一人会社を離れませんでした。
「会社がちゃんとしていれば、人は会社についてきてくれる。」
この出来事は、人を信じる気持ちをさらに強くしたと話してくださいました。
その後、コロナ禍で仕事が激減すると、下請け中心の経営から脱却することを決断します。
当初は営業を外部へ依頼していましたが、「これ、自分たちでもできるんじゃないか。」
そう考え、自社で営業部を立ち上げました。
営業、総務、工事と役割を明確にし、組織づくりを進めた結果、わずか2年で元請工事5,000万円を達成します。
さらに印象的だったのは、その営業ノウハウを自社だけに留めなかったことです。
同じような悩みを抱える同業者へも惜しみなく伝え、業界全体が良くなることを考えていました。
利益だけを追うのではなく、人が成長し、人が活躍できる環境を広げていきたい。
そんな想いが、成田氏の行動から強く伝わってきました。
現在、会社は30名を超える組織へと成長しました。
しかし、成田氏が目指しているのは売上10億円という数字だけではありません。
「職人が光り輝く場所を創り続ける。」
その志を実現するため、より多くの仲間が活躍できる会社をつくることです。
最後に、青経塾への入塾を考えている方へメッセージをいただきました。
「誰にでも曲げられない想いはあると思います。その想いを持ったまま、進むべき道筋を立ててくれる場所が青経塾です。想いはあるのに結果が出ない人ほど考え方が変わります。そして、誰かが見てくれている環境だからこそ、自分を律し、結果につながります。」
今回のインタビューを通して感じたのは、成田氏は会社を大きくすることだけを目指している経営者ではないということです。
人が育ち、人が輝くことで会社は成長する。
その考え方があるからこそ、社員が会社に残り、仲間が集まり、自社で培った経験を同業者へも還元しているのだと感じました。
利益や売上だけではなく、「人を活かすこと」を経営の中心に据える成田氏。
その姿は、青経塾が大切にする人間主義経営を体現する経営者そのものであり、これからも「職人が光り輝く場所」を創り続けていくことを強く感じさせていただきました。